沈香とは
沈香(じんこう)、あるいは沈水香木と呼ばれる風変わりな木片がある。
通常の木材より重く、水に沈む。熱すると強い芳香を放つ。
沈むのは木質に沈着した重い樹脂成分のためであり、芳香を放つのは樹脂が揮発するためである。
沈香の多くは、インドシナ半島やインドネシアの熱帯性ジャングルに繁茂する、アキラリア科の植物が起源である。
この植物は樹齢30年を越えないと樹脂の沈着が起こらず、100年以上の古木でなければ良質の沈香素材とならない。
しかも単に沈着しただけではあの玄妙な香りは生じず、枯死して後、泥沼地に埋没し、
バクテリアによる分解・変成作用を受けて初めて馥郁たる芳香を発するという。
このような条件を満たす原木は、広大なジャングル全体においてもごくわずかで、
沈香が採取できるのは、そうした原木のさらに1%に満たない部分でしかない。つまりたいへんな貴重品なのだ。
しかし沈香は、どんな気にも増して、強い力を与えてくれると信じられたようだ。
中国では祖先の霊を迎え慰めるために香木を焚き、長生を得るために煎じて飲んだ。 マレー半島では、呪術師たちが精霊との交信のため、あるいは魔力を高めるために祭壇で燃やした。 一般の人々は病気を癒す(呪いを解く)神秘的な力を持つ家宝として子孫に伝えていった。 その儀式や祈祷は決して他人に見られてはならなかった。
日本ではもっぱら仏事と香道(香りを通じての遊び)に用いられたが、経験的に健康に良いことが知られていた。 戦前、式守という宗匠は、「香がしっかり体に入っている人は、見ればわかります」と語った。 この人は、「もし空襲が来たら、香木を全部燃やして、その香りと一緒に昇天します。」と笑ったそうだ。 死生を達観していたらしい。
沈香の香り
沈香の香りは、一口でいえば、甘い(と私は思う)。
しかし、乳香(オリバナム)やジャスミンのような甘さでなく、ねっとりした濃度を感じさせながらも清爽を忘れない甘さである。
昔の(日本)人は、その匂いに5つの味、甘さ、辛さ、苦さ、潮はゆさ、酸っぱさがあると見立てた。
これを五味という。香りの味わいは、沈香の種類(種や産地による違いなど)や質(木質や樹脂の沈着状態、生成環境)によって大きく変わる。
近年はインドネシア産の樹脂分の多い沈香が出回っているので、樹脂臭さ(バルサム臭、薬臭さ)の強いものが多い。
一方、古くから親しまれているベトナム産はほとんど樹脂臭を持たず、刺激が少なく優雅な香りがする。
その香りは絡みつくようで長く留まるが、清々しい。
「まったりとして、それでいてしつこくなく…」という日本人の好みにあう。
苦味の立つものが上品である、と古人は決めた。
5つの味わいがほどよく混じるのが望ましいという人もあろう。そのあたりは個人の好みである。
沈香の効能
沈香は天地の精華が集まった宝物と言われております。
沈香を用いることで諸仏に礼し、菩薩を敬い、その香気が仏菩薩の来迎を請う助けと
なるそうです。
そして、静かに座って、沈香を炊くと、禅定を助け、魔に乱されず、邪気を払う効果があり、
家の中に沈香の塊や彫刻を置くと、家内安全を招来するとされています。
また、沈香や伽羅などの香木には「気分を沈める」「リラックスする」といった効果があると言われています。
昔の人はその香りを「高貴なこと、宮人の如し」と
表現しています。常温でも清やかな香りを発し、
焚くと濃厚な他に例えようのない沈香独特の香りです。
まずは部屋で焚いてリラックスしてみてはいかがでしょうか。好きな香りを焚くだけで、
時間の流れがガラリと変わり、心身共にリラックスできます。
忙しさの中で少し足を止め、時間を作ってお香焚く。
ゆっくりと立ち上る煙の行く先を見ながらホッとひと息入れる。
そんな、ちょっとした 「贅沢」 を 是非ご家庭で味わってください。
きっと、日常にはなかった新しい「何か」を感じていただけるはずです。
沈香の品質
香木には長い歴史や言い伝えがありますが、実際多くは知られていません。
人間の手が加えられていない天然の香りは、安らぎと癒しの空間をあたえてくれます。
ベトナム産の天然沈香は国内では安値での入手が非常に困難となっております。
越南のかほりでは本物を追求し、正規輸入品であり高品質で希少なベトナム産沈香木をご用意させて頂きました。
この機会をお見逃しなく、ぜひ最上級のベトナム産沈香をご入手ください。